自分たちがどんな結婚式を挙げたいか、どんなところにゲストを招きたいかによって、会場選びは違ってきます。とくに会場選びで異なるのが、挙式スタイルです。
牧師様の前で指輪の交換と誓いキス…といった欧米のスタイルを思い描く人もいれば、粛々とした雰囲気のなか和装で伝統的な式を挙げたいと考える人もいて、それぞれ理想のスタイルは異なりますよね。
このページでは、結婚式の挙式スタイルの種類について解説しながら、それぞれの挙式スタイルの特徴やメリット・デメリットをまとめました。
結婚式の会場を選ぶ前に重要になってきますので、ぜひ準備の早い段階でチェックして、検討の参考にしてみてください。
結婚式の挙式スタイルは主に4種類
現在、日本で一般的に行われている結婚式の挙式スタイルは、主に「キリスト教式」「人前式」「神前式」「仏前式」の3つです。それぞれどんな特徴があるかを調べてみました。
キリスト教式
チャペルで、聖歌や厳かなパイプオルガンの音色とともに行われるのがキリスト教式の結婚式です。結婚式と聞いて、真っ先にこちらを思い浮かべた方は多いのではないでしょうか。
2021年に行われたゼクシィの調査によると、実際、結婚式にキリスト教式を選んだカップルは51.5%以上と、半数以上を占めています。人気の理由としては「ウェディングドレスでバージンロードを歩くのに憧れていた」という理由がほとんど。中には、「母親にベールダウンをしてもらいたかった」という意見もありました。
牧師様が祝福してくれる特別な雰囲気は一生に一度ですし、何といってもロマンティックですよね。
ちなみに、キリスト教式は、細かく分けると「教会式」と「チャペル式」に分かれています。
教会式とは実際に信者が礼拝をする教会で行う挙式のこと、チャペル式は、結婚式場やホテルなどに備わっているチャペルを利用した挙式のことです。
挙式後にホテルや式場で結婚披露宴を行う流れなどから、チャペルで式を挙げるカップルのほうが多いです。
キリスト教式のメリット・デメリット
キリスト教式のメリットは、何といってもウェディングドレス姿でバージンロードを歩ける点です。純白のドレスでバージンロードを歩くのに憧れて、キリスト教式を選ぶ女性も多いでしょう。
また、新郎新婦の希望に合わせてフラワーシャワーやライスシャワー、フェザーシャワーなど、さまざまなアイテムを使った演出ができる点も好まれています。
ただし、神前式や人前式、仏前式に比べて費用が高い傾向にあります。結婚式場に備わっているチャペルでの挙式でも基本料金の相場は15~20万円と高めなので、費用を抑えたいカップルにとってはデメリットに思えるかもしれません。
人前式
キリスト教式に次いで2番目に多いのが人前式です。読んで字のごとく、周りの「人」に誓う挙式スタイルで、神様ではなく家族やゲストの前で結婚を誓い、承認してもらいます。
宗教が関係しない自由なスタイルなので、格式にとらわれず決まった流れもありません。
基本的に場所や衣装も自由なので、チャペルの十字架を外して会場にしたり、披露宴会場をそのまま人前式会場にしたりと、新郎新婦の思うようにアレンジできます。
カジュアルで、アットホームな雰囲気の中で結婚式をしたい、ゲストみんなに参加してもらいたいという思いから、人前式を選ぶカップルも増えてきています。
人前式のメリット・デメリット
特に決まったしきたりや風習に沿って進行する必要がないため、自由にプログラムを決められるのが人前式のメリットです。結婚披露宴の前半に、プログラムのひとつとして組み込むカップルも多くいます。ほかの挙式スタイルに比べて、価格が安いのも好まれる理由のひとつです。
ただし、人前式は比較的新しいスタイルのため、年配の参列者など世代によっては理解を得られない場合があるかもしれません。人前式に参加したことのない親族がいる場合には、事前に人前式について理解を深めてもらう準備が要るでしょう。
神前式
神前式は、神社の神殿で行われる日本の伝統式な挙式です。地域の神社で行われるほか、ホテル・結婚式場の館内に神主さんが出向いて行われることもあります。神前式では、家と家を結びつけるのが結婚という日本古来の考えから、神職と巫女が両家の縁結びをします。
新郎は紋付羽織袴、新婦は白無垢姿や色打掛などの花嫁衣裳で式に臨みます。白無垢姿に憧れて、ウェディング姿とどちらにしようか迷う女性も多いのではないでしょうか。
日本ではその昔、花嫁が実家から新郎宅へと歩いて嫁ぐ「花嫁行列」が行われていたことから、その風習にならって、神殿への参道を歩いて入場します。その後、修祓の儀、祝詞奏上や三献の儀(三々九度)などを経てお互い神に対して誓い合い、両家でお神酒を飲んで絆を結び、セレモニーが終了します。
「日本人に生まれたからには伝統的な神前式が良い」「ゆったりと落ち着いた式がしたい」という理由から選ぶカップルが多いようです。
神前式のメリット・デメリット
神前式では、普段の生活ではなかなか味わえない厳かな雰囲気の中で、伝統的で日本人らしい儀式を挙げられる魅力があります。家と家が結ばれるという考えに基づいたセレモニーは、身が引き締まる思いがするとの声も聞かれます。
また、「誓詞奏上」という儀式では新郎が神様に誓いを述べます。新郎の目立った活躍が見られるのも、神前式ならではの光景です。
ただし、親族がそろって神殿までの参道を歩く「参進の儀」という儀式では、天候に左右されやすいのが難点です。
雨の中を歩いたり、雨が強いと執り行うのを断念したりしなくてはなりません。
仏前式
仏様を大切にする日本古来の考えから、寺院で結婚式を挙げるスタイルです。「結婚すると来世まで連れ添う」という仏教の考えに基づいて、仏様やご先祖の前で、巡り合えた縁に感謝し、来世までの結びつきを誓います。
新郎新婦の先祖代々のお墓があるお寺や縁のある地域の寺院、自宅の仏前などで行うのが一般的です。自宅に仏壇がある場合は、自宅に僧侶を読んで執り行います。
仏前式では、結婚のお祝いとして「白房の数珠」を新郎へ、「赤房の数珠」を新婦へ僧侶が授けます。三々九度を交わす点は、神前式に似ています。
仏前式は本来、新郎新婦のどちらかがその宗派の信徒であることが通例ですが、信徒でなくても仏前式を挙げられる寺院もあります。
今となっては珍しい挙式スタイルではありますが、「2人の縁をご先祖様に感謝したい」「日本古来の伝統式な結婚式をしたい」といったカップルは、検討してみてはいかがでしょうか。
仏前式のメリット・デメリット
長い付き合いのあるお寺さんの僧侶に式を挙げてもらえるので、安心感があり落ち着いて式を挙げられます。結婚式の場だけでなく、子供が生まれ、成長していく様子など、これからの人生を長く見守ってくれる存在となってくれるでしょう。
ただし、仏前式は地域の寺院で行うため、一般の結婚式場のようなゲスト向けの施設は整っていません。お手洗いなどの施設やアクセス面などで、ゲストに不便をかけることもあると留め置いてもらった上で参列してもらうようにしましょう。
また、披露宴やパーティーを開ける会場やレストランなどもありません。披露宴を行う場合には、自分たちで会場を手配する必要があります。
披露宴はどのスタイルにする?
無事に結婚式を執り行ったあと、結婚披露宴を開くカップルも多いですよね。挙式スタイルは決まったけれど、今度は結婚式場のスタイルに迷っている…なんて方はいませんか?
ここからは、結婚式後に披露宴を開きたいふたりに向けて、結婚式場の種類とその特徴を解説していきます。
専門式場
専門式場とは、結婚披露宴を行うためだけに専門に設けられた式場のことです。
挙式会場が併設されていることが多く、チャペルで式を挙げたカップルが、別の会場でそのまま結婚披露宴を開けるようになっています。
地域に根差した式場も多く、長年にわたって多数の結婚式に対応してきた「ベテラン」も少なくありません。
知識と経験が豊富なスタッフやブライダルプランナーなどがワンストップで対応してくれるので、安心して任せられるのが魅力です。
ホテルウェディング
多くのホテルでは神殿やチャペルなどの挙式会場が併設されていて、少人数から対応できる宴会場もあります。
ホテル内のチャペルで挙式をして、そのあとホテルで結婚披露宴を開くといった流れは、結婚式の定番人気といっても過言ではありません。
宿泊施設も備わっているホテルは、遠方からのゲストの宿泊にも対応できるため、利便性が高い点も人気の理由です。ゲストに対し、ホテルならではのきめ細やかなサービスを味わってもらえるのも、感謝の気持ちをあらわすためのおもてなしになります。
レストランウェディング
通常はレストランとして営業している店舗を、貸し切りにして披露宴会場にするのがレストランウェディングです。料理が美味しければゲストが喜んでくれるので、感謝の気持ちを伝える場として人気があります。
ただし、披露宴の演出のための施設や設備などが整っていない場合が多いです。ウェディングの対応に実績があり、慣れているレストランでは問題ありませんが、はじめての貸し切りとなると、思った以上に準備に手間がかかる可能性もあります。自分たちのイメージに沿うような披露宴を開けるか、事前にしっかりと確認することが必要です。
ゲストハウスウェディング
最近、人気が高まっているのが、プライベートな邸宅を1軒まるごと借りてパーティー会場にするゲストハウスウェディングです。親しいゲストを招いてホームパーティーのような感覚で、贅沢な時間を共有できます。会場の演出や装飾などの自由度が高いのもポイント。ゲストに気兼ねなく楽しんでもらうための空間を自分たちで演出してみたい、手作りの披露宴を開きたいといったカップルにおすすめです。