「バージンロード」とはどういう道なのか
チャペルの中で行う挙式の入場シーンと言えば、入り口から祭壇までまっすぐ伸びるバージンロードを父親とともに歩いていくという方法が定番です。
キリスト教の教会はどれも祭壇までの道が入り口からまっすぐ繋がる構造になっているので、日本国内だけでなく海外の本式チャペルでも同じようにバージンロードを歩いて行くことになります。
ちなみに「バージンロード」という名称は日本国内でだけ使われる和製英語であり、英語圏では「aisle(アイル)」や「Wedding road」というふうに言われます。
なおカトリック教会ではこの通路は赤色もしくは緑色をしているのですが、プロテスタント教会では白色となっています。
他の通路と異なる色をしている理由は昔教会の床の下には悪魔が住んでいると言われてきたためで、結婚式というお祝いの場面ではそこに色のついたじゅうたんを敷くことにより悪魔が二人に近づくのを避けるようにしたといいます。
チャペルの扉から新しい人生が始まる
「バージンロード」という名前が日本で使用されていることからなんとなく察しがつくように、この道は新郎よりも新婦を意識して作られたものです。
チャペルの入り口から祭壇まで向かう道はそのまま新婦がこれから迎える新しい人生を象徴するもので、これから「バージンロード」を抜けて一人の女性として歩き始めるということを示します。
これからバージンロードに向かう女性に対し、控室で母親が顔にベールを被せるというのもチャペルウェディングの流れの一つですが、これも母親のお腹の中からの人生を歩み直すという意味が込められています。
そして祭壇前に控えている新郎の隣に着くまで自分の父親と腕を組んでゆっくり歩いていくことになりますが、この独特の歩き方にも意味があり、母親のお腹の中から出た新婦が父親に手を引かれて歩くことができるようになったということを示します。
新郎は入場の時にバージンロードを歩かず先に祭壇前で控えてゆっくり歩いてくる女性を待ち受けるということになりますが、ここで父親から女性を引き受けるというところにもこれからの人生をともに歩いて行くのは新しい家族である自分であるという意味があります。